好対照な井口への厚遇と松中への冷遇

井口選手が1億6000万円増の年俸2億4000万円で契約更改したそうです。今年度は打率.340・27本塁打・109打点・42盗塁と立派な成績を残しましたが、昨年までの6年間は最高でも2割6分1厘の低打率で、打撃ではこれまでずっと期待を裏切り続けてきたと言っても言い過ぎではないでしょう。本来なら倍増の1億6000万円程度、大出血でも2億円ぴったりで十分だったのではないでしょうか。
投手では、パ・リーグで18年ぶりの20勝をあげ投手三冠を獲得した斉藤が1億2000万円増を提示されていますから、野手の評価に対して投手の評価が低いという声がまた出てきそうです。
野手では、たとえば松井稼頭央(元西武)でも昨年の9500万円増が最高の増額です。ちなみに、そのときの松井の成績は打率.332・36本塁打・87打点・33盗塁でした。


井口は盗塁王を獲得していますが、松中信彦だって打点王を獲得していますから、1億4100万円増を保留せざるを得ないのはある意味仕方がないような気がします。しかも4番を打っていたわけですから。前年比1.9倍は井口はともかく城島にもわずかに及ばず、増額分でも井口を下回っています。松中にとってみれば、少なくとも2倍の3億2000万円程度はいかないと判子は押せないでしょう。これだと、アップ率は城島と並び、増額分でも1億6000万円増となって井口と並びますので、どうにかプライドも保てるはずです。
一方で、MVPを獲得した城島健司の2億円増を越すことは難しいでしょうから、球団が松中に提示できる増額の限度は井口と城島の間を取って1億8000万円増程度でしょう。つまり、上限は年俸3億4000万円程度になるのでは、と考えられます。


それにしても、疑問の残る井口への条件、そして松中への初回提示だった気がします。どちらが高すぎるのか少なすぎるのかはともかく、せめて球団内部ではそれぞれのプライドを尊重しながら、バランスのとれた条件提示をして欲しいものです。


最後に、他球団の今季年俸2億円以下だった野手で増額した主な選手の契約と井口とを並べて示します。

_選手_________年俸____増分___打率_本塁打__打点__盗塁
井口資仁(福岡)_24000_16000_.340__27_109__42
今岡誠_(阪神)_23000_11000_.340__12__72___1
福留孝介(中日)_20000__7800_.313__34__96__10
二岡智宏(巨人)_17000__9200_.300__29__67__14


※金額の単位は万円。
注)今岡はセ・リーグ首位打者獲得。昨年も打率.317で2年連続打率3割である。

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